がんになりました

公衆衛生医が乳がん治療中に体験したこと、調べたこと、感じたこと、考えたことを記録していきます。

がんと癌

お気付きの方もいるかもしれませんが、このブログの中で「がん」と「癌」と両方使っています。

厚労省や国立がん研究センターが「がん」を使っているため、基本的には「がん」と表記し、引用する場合は、忠実に引用するために必要があれば「癌」も使っていました。

実は知らなかったのですが、日本語の「がん」と「癌」は明確な使い分けがありました。

大きな括りとしては「悪性腫瘍(悪性新生物とも言う)」があるのですが、その中にcarcinoma(上皮由来)、sarcoma(非上皮由来、肉腫)、leukemia(造血器由来、白血病)などがあります。「癌」はcarcinomaのことを指し、「がん」は悪性腫瘍全体を指すそうです。現在、臨床との関わりは最小限になっているものの、一応医師免許を持つものとして、悪性腫瘍の分類自体もちろんは知っておりましたが、「癌」と「がん」の使い分けは正直気にしていませんでした。(専門用語としては、肉腫なら、肉腫、白血病なら白血病と書きますから。)

「国立がん研究センター」は癌も肉腫も白血病も対象としていますから、ひらがなの「がん」というわけです。

ただ、国立がん研究センターの一般の人向け情報サイトの「それぞれのがんの解説」では、上皮由来のものでも「がん」と表記されています。(肉腫や白血病はそう書いてあります。)

乳がんは上皮由来の悪性腫瘍ですから、上記の使い分けを適用すれば乳癌。「日本乳癌学会」の出しているガイドラインは「乳癌診療ガイドライン」です。なのでそのまま引用しています。ただ、患者向けのものは「患者さんのための乳がん診療ガイドライン」です。

これは「癌」という漢字が常用漢字ではないので、一般向けのものには常用漢字以外の漢字は使わないということなのかな?と理解しています。

という訳で、このまま、基本的には「乳がん」、引用の場合は引用元に忠実に、元が「乳癌」と書かれていたらそのまま使うようにしようと思います。

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新居の向かいの神社の森。非常事態宣言下の天気のいい休日に撮影。