1月17日から始まった経口の化学療法薬であるカペシタビンは、術後の追加化学療法ととしてはまだ標準治療になっていない、と先日書きました。
実は、現時点で保険診療の適応にもなっていません。2018年版の「標準治療ガイドライン」では「わが国ではカペシタビンの術後療法としての使用は保険適応外であるため(中略)全治療期間で薬剤費として約16万円および約24万円となった。」とあります。
でも、今回、保険で7割負担されて3割負担になりました。
病院からの同意書より抜粋すると、
「今回の治療で使用するカペシタビンは保険診療で認めていない治療方法(これを適応外と言います)です。現在の保険診療では、カペシタビンは切除不能または再発乳癌で効能・効果が認められてますが、術後補助化学療法には効能・効果が認められていません。」
その上で、最近の研究結果(主治医からも教えてもらったもの)が紹介されて、以下のように説明されていました。
「以上により、術前化学療法後に、乳癌の手術を行い、病理学的検査で癌の残存が確認されたHER2陰性の乳癌症例には、術後補助化学療法としてカペシタビンを使用することが有効で安全性も許容されると考えますので、適応外使用を行うことを検討しています。」
ちなみに、乳がんでは、サブタイプによって治療法が異なりますが、サブタイプは「ホルモン受容体」と「HER2タンパク」があるかないかで決まります。私の場合、どちらも陰性の「トリプルネガティブ」でした。ホルモン受容体には2種類あるので、3つとも陰性=トリプルネガティブです。(乳がんのサブタイプ分類は、国立がん研究センター・がん情報サービスのこちらのページをどうぞ。)
費用に関しては、以下のようになっていました。
「本治療(薬剤)にかかわる費用や検査台については、あなたが加入している健康保険の審査機関に、詳しい症状や、この治療(薬剤)や検査が必要な理由を添えて審査を、受けます。もし審査で認められなかった場合、その医療費はXX(←治療を受けている機関)が負担しますので、あなたの負担が特に増えることはありません。」
3割負担だったので、保険が認められたのだと思います。