がんになりました

公衆衛生医が乳がん治療中に体験したこと、調べたこと、感じたこと、考えたことを記録していきます。

ウィッグとネイルケア

(初出2019年9月30日)

共済組合からのおハガキで知った、医療費自己負担額の件の続きを書こうと思っていたのですが、今日ネイルケアをしてもらったので、そちらを先に。

化学療法を受けることが決まってから、副作用の説明を受けたのですが、そのひとつが脱毛や爪の変化です。今、病気や治療で容貌が変わってしまうことへのいろいろなサポートが相当充実してきているようです。

まずウィッグ。調べている時にみつけたのですが、名古屋市が今年の4月から「ウィッグ購入費助成事業」なるものを始めたとのことで、これはさっそく使わせていただきました。
http://www.city.nagoya.jp/…/00001…/115089/uxigguchirashi.pdf

でも、実はウィッグはNPOで作ったのでかなり安くできました。このNPOは国際協力もしているのでその件でお話し聞かせていただいたり、訪問診療に行っていた老人ホームが訪問理容に来てもらったりしているので、以前から知っていました。
http://www.fukuribi.jp

実際に作るのはそのNPOで講習を受けたパートナー美容室です。その美容室では、元からのお客さんで化学療法を受けることになった人がいて、頼まれて講習を受けに行ったと言っていました。その人以外にもすでに数人の経験があるとのことです。結構いい感じに作ってもらい(自毛よりも)、使い始めて2ヶ月経ちますが、今でも「髪型変えた?若返ったね。」とか言われています。
https://www.shrimp.co.jp/salon/sakurayama/

それから爪。変色隠しや割れ防止のために、ネイルをする人が多い、と副作用のパンフレットに書いてあり、いざ治療がはじまるとおっくうになることもあるので、練習しておいた方がいいというという経験談もありました。それで、マニキュアを買って練習してみたのですが、これはすぐ断念。1つ目の治療薬より2つ目の治療薬の方が爪毒性が強いので、2つ目が始まる前の8月中旬にプロにやってもらうことにしました。

ウィッグを作ってもらった店の姉妹店が近所にあり、こちらは特にそういう経験があった訳でもなかったのですが、姉妹店でウィッグを作ってもらった気安さもあり、事情を話して相談してみました。マニキュアでは長持ちしないので、とシェラックネイルなるものをすすめられ、これもいい感じで、とても満足。まさか、自分の人生でネイルサロンに通うとは想像もしていなかったのですが。まあ、この間、ヘアカット不要になるので、ま、いいかなぁ、と。
https://www.shrimp.co.jp/salon/ishikawabashi/

それで、2週間ごとに3回行ったところで、シェラックネイルを外した時に爪にシマシマ。ネイリストさんも「はじめて見ますね。」と言っていたのですが、今日2週間ぶりに行ったら、「これじゃないですか?」と言ってネット検索結果を見せてくれたのが「ミーズ線」。帰宅してから、調べてみると本当にそのようです。副作用情報でもあまり出てこなかった名前だったので、ネイリストさん、さすがです。

これ以外に、ケア帽子や、下着なんかも選びきれないくらい豊富なようです。20数年前(自分が臨床医していた頃)には「アピアランスサポート」という言葉はまだまだ一般的ではなかったと思うので、隔世の感がありますね。

(写真はミーズ線)

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