今日、約11ヶ月ぶりに、週末の訪問診療に復帰しました。
9年間の臨床医生活の後、1998年に1年の予定でプライマリ・ヘルス・ケアを勉強するために留学した時は、また臨床に戻ることも想定していましたが、このまま公衆衛生分野で仕事、勉強をしていこうと決心した時点で、臨床の仕事はもうしないと思っていました。
というか、中途半端にしてはいけないと考えていたのですが、2003年に再度留学するのを待っている間、元勤務先の関連病院で4ヶ月バイトをさせてもらう機会がありました。5年のブランクで知識と技術は落ちているんだなあと思いながら、院長になっていた元後輩たちのサポートを受けながら、一般診療をなんとかこなし、留学資金を稼ぐことができました。
帰国後、思いがけず大学に勤務することになったのですが、所属した教室からの派遣で、再び、2012年から1年半ほど病院で診療する機会がありました。
そして、2014年にNGOを設立した時に、NGOの運営資金を稼ぐために活動の一環として働かせていただくようになったのが今の病院です。
この病院の創設者は、NGOも創設していて、病院とNGOは違う法人ではありますが、同じ敷地内に隣り合っています。玄関は同じで左に行くとNGO、右に行くと病院です。左のNGOの方には長らく会員、ボランティアとして関わっていて、自分のNGOを設立する時にもいろいろ相談に乗ってもらっていました。が、右に行ったことは15年間1度もありませんでした。
NGOの人が紹介してくれて、話がすぐ進み、訪問診療を担当することになりました。内科のトレーニングを受けていないので少し心配だったのですが、外科医だった時に術後患者の訪問診療はやっていましたし、親切なドクターたちのバックアップで何とかこなすことができて、週半日とは言え、それなりに重宝してもらっていたようです。地域医療に力を入れている病院で、私にとっても地域医療の現場を知る貴重な機会になっています。
術後化学療法を受けるのをきっかけに、お休みさせていただきました。術後の経口化学療法が終了したら、こちらからご連絡しようと思っていたところで、地域医療連携室長のドクターから「そろそろどう?」と声をかけていただきました。
白血球も赤血球もほとんど正常化していましたので、連休明けから再開させていただくことにしました。わがままを言って、最初は2週間に一度ということで。
再開初日の今日は、老人ホームの方5人と在宅1人。病院に戻った後の作業を含めて3時間半ほどでしたが、情けないことに結構疲れましたね。
でも、自転車に乗れるようになり、ボランティアを再開し、診療も再開できて、社会復帰も最終段階という感じです。あとは海外出張、特に東ティモール出張ができるようになったら社会復帰完了というところでしょうか。